関係法令について
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関係法令について

厚生労働省などにより制定された、各種安全保護具に関する法令などを紹介します。各種安全保護具を選定するときや、作業場の安全を確保するためなどにご参考ください。

石綿について防塵マスクについて防毒マスクについて保護帽について安全帯について

石綿について

石綿については、平成7年から平成16年にかけて石綿を含有する製品の製造などが禁止されたことで、国内の石綿使用量は大幅に削減されました。

このため、今後の石綿ばく露防止対策は、建築物の解体などの作業が中心となり、事業者に求める処置の内容が、特定化学物質などの障害予防規則に定めるほかの化学物質とは大きく異なるため、新たに建築物の解体作業における、ばく露防止対策の充実を図った単独の規則を制定し、石綿による健康障害防止対策の一層の推進を図ることとしたものです。

人体への有害性

石綿粉塵を吸入することによる健康障害は、1.石綿肺 2.肺がん 3.胸膜・腹膜などの悪性中皮腫 4.良性石綿胸水 5.びまん性胸膜肥厚などがある。

主な用途

繊維強化セメント板、窯業系サイディングなどの建材資材。自動車用ブレーキパッド、接着剤などの石綿製品など。

石綿障害予防規則の保護具に関わる事項のポイント

※関連通達を基に当社にて編集

■石綿作業主任者の選任と職務(第19条・第20条)

  • 石綿作業主任者講習を修了した者のうちから、石綿作業主任者を選任しなければならない。
  • 労働者が石綿などの粉塵により汚染され、またはこれら吸入しないように作業方法の決定や指揮をし、保護具の使用状況の監視をする。作業方法の例としては湿潤化・隔離の要領・立ち入り禁止区域の決定などがある。

■特別教育の実施(第27条)

  • 石綿などが使用されている建築物や工作物の解体などの作業に関わる業務に労働者を就かせるときは、当該業務に関する衛生のための特別教育を行わなければならない。
  1. 石綿の有害性
  2. 石綿などの使用状況
  3. 石綿などの粉塵の発散を抑制するための措置
  4. 保護具の使用方法
  5. 前各号に掲げるもののほか、石綿などのばく露の防止に関し必要な事項

■POINT 3:掲示(第34条)

  • 石綿などを製造、または取り扱い、又は試験研究のため製造する作業場には、次の事項を作業に従事する労働者が見やすい箇所に掲示しなければならない。
  1. 石綿など取り扱い又は試験研究のため製造する作業場である旨
  2. 石綿などの人体におよぼす作用
  3. 石綿などの取扱上の注意事項
  4. 使用すべき保護具
    ※とくに保護具については取り扱いの実態に応じ、保護具の名称を具体的に掲示する

■呼吸用保護具(第44条)

  • 石綿などを製造し、または取り扱う作業場には、石綿などの粉塵を吸入することによる、労働者の健康障害を予防するため必要な呼吸用保護具を備えなければならない。
  • 呼吸用保護具については、送気マスクなど給気式呼吸用保護具、防塵マスクならびに面体形、およびフード形の電動ファン付き呼吸用保護具*(JIS T 8157-2009適合)で、防塵マスクについては、国家検定合格品であること。
    *電動ファン付き呼吸用保護具のフェイスシールドタイプは、顔面との密着性の問題から使用は認められない。

■保護具の数など(第45条)

  • 呼吸用保護具については、同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持しなければならない。
    なお、有効とは、各部の破損、脱落、弛み、変形など、保護具の性能に支障をきたしている状態でないこと。

■保護具などの管理(第46条)

  • 保護具などが使用された場合には、他の衣類などから隔離して保管しなければならない。
  • 保護具などに付着した物を除去した後でなければ、作業場外に持ち出してはならない。ただし、廃棄のため、容器などに梱包したときは、この限りではない。
    付着した物の除去方法は、衣類ブラシや真空掃除機の使用や作業場内で洗濯する方法など、汚染の程度に応じ適切な方法を用いる。また、汚染のひどいものは廃棄物として処分する。
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防塵マスクについて

厚生労働省は、平成12年9月11日付け労働省告示第88号で、防塵マスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)および防毒マスクの規格(平成2年労働省告示第68号)の一部を改正しました。
この告示は平成12年11月15日から施工され、防塵マスクは12種類に分類されました。

さらに、平成17年2月7日付け基発0207006号「防塵マスクの選択・使用などについて」により、作業内容や粉塵の種類によって、使用する防塵マスクの区分が明確に定められました。 これにより、それぞれの作業環境、作業内容にあわせた防塵マスクの選択が必要になります。

規格改正の趣旨

  1. 技術の進展、材料の進歩などによる性能の向上に伴い、性能基準を見直す。
  2. 性能試験方法については国際整合性を図る。
  3. 作業の態様、有害物質などの発散の様態などを考慮した区分を設ける。

防塵マスク12種類の分類

防塵マスクの分類のされ方は次のようになっています。
まず形状により、使い捨て式と取り替え式の2種類に大きく分かれています。また、それぞれ粒子捕集効率により3段階に分類され、最も捕集効率の高いものを区分3、低いものを区分1としています。

さらに、その粒子捕集効率試験を固体粒子である塩化ナトリウム(NaCl)で行うか、液体粒子であるフタル酸ジオクチル(DOP)で行うかにより、合計12種類に分類されています。
この試験は、粒径、流量、試験時間とも改正前に比べ、より厳格な試験となっています。

 
試験粒子と捕集効率
S 試験粒子に固体の塩化ナトリウム(NaCl)を用い測定
L 試験粒子に液体のフタル酸ジオクチル(DOP)を用い測定
区分1/2/3
(粒子捕集効率)
使




/




D 使い捨て式
防塵マスク
 
DS1
DL1
区分1:80%以上
DS2
DL2
区分2:95%以上
DS3
DL3
区分3:99.9%以上
R 取り替え式
防塵マスク
 
RS1
RL1
区分1:80%以上
RS2
RL2
区分2:95%以上
RS3
RL3
区分3:99.9%以上

作業内容による防塵マスクの使用区分

作業の内容や粉塵の種類によって、使用する防塵マスクの区分が明確になりました。

・放射性物質がこぼれたときなどによる汚染のおそれがある区域内の作業または緊急作業
・廃棄物の焼却施設に係る作業で、ダイオキシン類の粉塵のばく露のおそれのある作業
・そのほか上記作業に準ずる作業
RS3 RL3
※オイルミストなどが存在する場合はLを選択
・金属ヒュームを発散する場所における作業(溶接ヒュームを含む)
・管理濃度が0.1mg/m3*以下の物質の粉塵などを発散する場所における作業
・そのほか上記作業に準ずる作業
*カドミウム、クロム酸、重クロム酸、ベリリウム、鉛およびその化合物
DS2 DL2 RS2 RL2
およびそれ以上の粒子捕集効率を有する
DS3 DL3 RS3 RL3
※オイルミストなどが存在する場合はLを選択
・上記以外の一般粉塵作業 DS1 DL1 RS1 RL1
およびそれ以上の粒子捕集効率を有する
DS2 DL2 RS2 RL2 DL3 DS3 
RS3 RL3

※オイルミストなどが存在する場合はLを選択
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防毒マスクについて

厚生労働省は、平成12年9月11日付け労働省告示第88号で、防毒マスクの規格(平成2年労働省告示第68号)の一部を改正しました。 この告示は、平成12年11月15日から施工されました。この告示により、新たにろ過材付きの防毒マスクが「防塵機能を有する防毒マスク」として規定されました。

防毒マスク吸収缶の区分

・有機ガス用 ・ハロゲンガス用 ・亜硫酸ガス用 ・一酸化炭素用 ・アンモニアガス用

防塵機能を有する防毒マスク用吸収缶の補修効率と区分

防塵機能を有する防毒マスク用吸収缶は、防塵マスクと同様の粒子捕集効率試験を行います。
試験粒子は、固体粒子である塩化ナトリウム(NaCl)か、液体粒子としてフタル酸ジオクチル(DOP)を使用し、粒径、流量、試験時間とも、より厳格な試験となっています。
その結果として、3段階に分類され、最も捕集効率の高いものを区分3とし、低いものを区分1としています。

S 試験粒子に固体の塩化ナトリウム(NaCl)を用い測定
L 試験粒子に液体のフタル酸ジオクチル(DOP)を用い測定
区分1/2/3
(粒子捕集効率)
S1
L1
区分1:80%以上
S2
L2
区分2:95%以上
S3
L3
区分3:99.9%以上
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保護帽について

保護帽の着用が規定された作業範囲(関連規則)

a)物体の飛来または落下による労働者の危険を防止するための保護帽

247条 型わく支保の組立作業 517条 鉄骨の組立作業
360条 地山の堀削作業 539条 船台の付近、高層建築物などの作業
366条 明り掘ホ削作業 566条 足場の組立作業
375条 土止め支保作業 クレーンなど安全規則
383条 ずい道などの堀削作業 33-2-3 クレーンの組立、解体作業
404条 採石のための掘削作業 118-2-3 デリックの組立、解体作業
412条 採石作業 153-2-3 屋外に設置するエレベーターの昇降路塔またはガイドレール支持塔の組立または解体作業
464条 港湾荷役作業
484条 造林等の作業
497条 木馬または雪そり運搬作業
516条 林業架線作業 191-2-3 建設用リフトの組立、または解体作業

b)墜落による労働者の危険を防止するための保護帽

151-52条 5t以上の貨物自動車における荷の積卸作業(ロープ、シート掛け等含む)
435条 はいの上における作業(床面から2m以上に限る)

c)絶縁用保護帽については電気による労働者の危険を防止するための保護帽

341条 高圧活線作業
346条 低圧活線作業

d)絶縁用保護具の国家規格について

351条 絶縁用保護具などの定期自主検査を行わねばならない
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安全帯について

平成14年4月に「安全帯の規格」が改訂されました。主な変更点は下記のとおりです。
※この種別表示は、主として厚生労働省「安全帯の規格」に基づくものです

  1. 腰部のベルトで身体を保持する旧A〜E種安全帯が胴ベルト型安全帯になりました。
  2. 肩・腰・腿部のベルトで身体を保持する“フルハーネス”が、ハーネス型安全帯になりました。
  3. 腰・腿部のベルトで身体を保持する傾斜面用・垂直面用ハーネスも、胴ベルト型安全帯に含まれます。
  4. 旧A・B種の"胴締めベルト"と旧C・D・E種の"外締めベルト"が統一されて、胴ベルトと呼ばれます。
  5. 旧B種の"補助ベルト"と旧C・D・E種の"胴当てベルト"も統一されて、補助ベルトと呼ばれます。
  6. 旧A〜E種の"金具付ロープ"と旧C・D種用の"補助ロープ"は、どちらもランヤードと呼ばれます。
  7. ランヤードの長さは、ショックアブソーバー・フックなどの有効長を含めた長さで表示され、1本吊り用は、原則的に1700mm以下とされました。
  8. 巻取器とショックアブソーバーの強度・性能・構造が新たに規格化されました。
  9. 墜落阻止時の衝撃吸収性は、「75kgの落下体で900kgf以下」から85kgの落下体で8kN(816kgf)以下に改められました。

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